志ネットワーク 青年塾:「志の高い日本」は、「志の高い日本人」によってこそ実現するとの思いに立ち、志ネットワーク活動を展開。 主宰:上甲晃

『青年塾』入塾式にあたり

2003年4月16日 上甲晃 |

 第七期生の入塾である。今年は、最終的には、九十三人になった。過去最高の人数である。ちなみに昨年は、九十一人。過去一番多かったのは、三年前の九十二人。『青年塾』の塾生は、合計五百三十四人になる。少なくとも、千人の゛未来への希望の種(たね)゛を育てるところまではがんばりたいものである。

■ 第七期生への祝辞の原稿

 諸君、入塾おめでとう。私は、過去六年間、『青年塾』で学ぶ人たちの感動を繰り返し見てきました。諸君もまた、この『青年塾』で大きな感動をしっかりと体験することができることを私は確信しています。だから、良き仲間と大きな感動に出会える機会を手にされたことに対して、胸を張って、「おめでとう」と言いたいのです。第一期生が入塾したとき、私は思わず、「ありがとう」と言いました。最初、海のものとも山のものともわからない『青年塾』の門を叩いてくれたのですから、ありがとう、そんな率直な思いでした。しかし今は違います。自信をもって、「諸君、『青年塾』に入られておめでとう」と言えます。この一年、『青年塾』に入ったことが、諸君の生涯の宝物になるよう、共に精進していきましょう。

 さて、『青年塾』の研修に臨む姿勢について、まずお話します。結論から言いますと、「教えられるのではなく、学び取る姿勢」をしっかりともっていただきたいということです。『青年塾』では黙って座っていたら、次々に何かを与えられるようなところではありません。「自分から学び取る」姿勢がなければ、何も得られません。「教えてもらう受け身ではなく、学び取る主体的な姿勢」を強く求めます。合言葉の一つは、「学び取る」です。

 そしてもう一つ、『青年塾』は何を学ぶところかということです。『青年塾』は、人間の生き方について学ぶ場です。言葉を変えれば、゛生きる基本゛をしっかりと身に付けるところです。知識や技術も大切です。しかし、それを使うあなた自身が、人間として成長しない限りは、絶対に良い成果は得られません。『青年塾』は、人間としての成長をめざす場であります。第二番目の合言葉は、「人間の根っこを育てる」です。

 そのために、当たり前のことが当たり前のようにきちんとできることを一番大切にします。私は、常に、諸君との切磋琢磨を通じ、諸君があたりまえのことを当たり前のようにしっかり励めるように強く求めていきます。「当たり前のことが当たり前のようにしっかりとできる会社」は、この不況下においても、しっかりとした経営をしています。また、当たり前のことが当たり前にできる人が、人間として根強い、基礎力のある人です。

うれしい参加

2003年4月15日 上甲晃 |

 「先輩の皆さんは、壇上に並んでください」。そんな一言に促されて、『青年塾』の先輩諸氏が、会場に設けられた舞台上に並んだ。第七期生入塾式後のパーティでのことである。しかし、余りにも人数が多すぎて、とても壇上には並びきれない。舞台の前にも一列に並んだ。私は慌てて、人数を数えた。三十七人。その前に既に帰ってしまった人たちもいる。合わせると、先輩諸氏は、第七期生の入塾式に、四十人以上は参加してくれたことになる。

 九十三人の入塾者を受け入れるのに、四十人を越える先輩諸氏が応援に駆けつけてくれた姿は、大感動だ。四十人を越える先輩諸氏は、自腹を切り、後輩のためにすべての役割を果たしてきた。私は、彼らに、手当ても、交通費も支払っていない。お金がもらえるから参加したのではない。自らの意志で、後輩のために参加してくれたのだ。それがたまらなくうれしかった。我田引水ではないが、今時、珍しい風景である。

 『青年塾』が成功していると実感するのは、先輩や後輩にかかわらず、塾生諸君が骨惜しみすることなく、みんなのために力を発揮してくれることにある。今回の入塾式でも、東海地区はもとより、関西や首都圏、さらには九州や北海道からも先輩諸氏が、駆けつけてくれた。式典の司会をした斎藤和子さんは、着物を販売している職業柄、札幌から着物姿で馳せ参じた。そして司会をしながら、「青年塾生を実感しました」と声を潤ませた。私が導いてみんなが目を開いたのではない。自分自身の心のもち方により、自らの内なる可能性に目覚めたのである。心を開き、人のために骨惜しみなく働けば、人はこんなにも良い方向に成長するものかと、私自身、改めて教えられる気がする。

 教育とは、英語で表現するとエデュケーション、すなわち「引き出すこと」と言われるが、その意味を改めて感じさせられる。「教えてやる、導いてやる」、指導する側がそんな気持ちをもっている間は、相手の心を開くことはできない。一人一人の内なる可能性に目覚めさせることこそ、教育の最大の要諦であろう。人は、生まれた時から、目に見えない力が働いて、もともと成長するように仕組まれているのだ。ただ、心が開かれないと、可能性は蓋をしたままになってしまう。

 私は、慌てないことにしている。早く成果を上げようとあせると、塾生の心がゆがんでくる。人は心を開くのに、いささかの時間がかかる。そのいささかの時間を待てないために、教育成果が損なわれるのだ。「待つことは愛」と教えられた意味が改めて理解できる。

一つ学べば、一つ変わる

2003年4月14日 上甲晃 |

 「みなさんが、この部屋に入るとき、一礼されました。それはまことに望ましいことです。しかし、人によっては、敷居を踏む人もいる。気をつけて、踏まないようにしている人もいる。本来、敷居は踏まないものです。それを知っていて実行できる、そんなことのわずかな差が積み重なって、人格の差となるのです」。『青年塾』の第七期生・入塾式に列席していただいた鍵山秀三郎さん(株式会社イエローハット相談役)の式辞の中の一言である。私はその瞬間、゛一つ学べば、一つ変わる゛との言葉を思い浮かべた。どこかの会社の壁に、゛一つ拾えば、一つきれいになる゛といった標語が貼ってあった記憶がある。その標語を文字(もじ)ったものである。

 『青年塾』の塾生諸君に、そのことを取り上げて、私は、次のような話をした。「昨日、鍵山さんから、敷居を踏まない」の一言をお聞きしました。『一つ学んだ』わけです。問題はそれから後です。諸君が、その話をきっかけとして、二度と敷居を踏まない人に『変わることができた』ならば、それは大した人物に近づいたとも言えます。

 人生、目新しいことやたいそうなことをすることよりも、敷居を踏まない、そんな当たり前のことを学んだとき、それがきっかけとなり、『二度と敷居を踏まない人に変わる』ことのほうが大切なのです。『青年塾』は、そうした学びを大切にしていきます。

 ゛一つ学べば、一つ変わる゛ことができるとすれば、『青年塾』のたった一年間で、諸君はどれほど成長することでしょう。とてつもない成長を遂げること間違いなしです。例えば昨日からたった一日でも、随分色々な学びがあったはずです。「立ち上がったら、椅子はそのままに放置せずに、ちゃんと机の中にしまいなさい」と教えました。また、「椅子を後ろに引く時には、大きな音を立てずに、持ち上げなさい」とも注意しました。そんな注意を受けた時、二度と同じことを繰り返さないとの決心をすれば、もうそれだけで、「三つ学んで、三つも変わった」ことになります。

 いずれも難しいことではありません。その気になれば、今すぐに実行できることばかりです。要するに、やる気が全てを決めるのです。できるかできないかは、やる気があるかないか、それだけの問題であります。『青年塾』は、人間としての基礎、生きる基本を学ぶ場です。そして、生きる基本とは、実はまことに平凡なところにあるのです。『平凡を励む』、それが、生きる基本を修得し、人間としての基礎力をしっかりと身につけていく道であることを肝に銘じてください。

ラジオ放送

2003年4月 7日 上甲晃 |

 四月五日の土曜日から、毎週、三十分のラジオ番組を受け持つことになった。放送局は、ラジオ大阪。放送時間は、午後二時から、二時半まで。番組の題名は、「上甲晃の志ネットワーク」。まるで、私のためのような題名の番組である。気恥ずかしいこと、この上ない。

 そもそもこの話が持ち込まれたのは、私の家を建設してくれた甲州建設の志村社長からである。志村さんが、大阪府宅建組合の広報責任者に就任したことから、同組合がスポンサーとなり、「関西復権、大阪を元気にする」ことを目的とした番組として、計画が進められてきた。日ごろ、余りにも過密なスケジュールで動いている私が、毎週のラジオ番組を一年間も継続することは難しいのではないかと危惧した。しかし、大阪のあまりの凋落振りを見るにつけ、「見て見ぬ振り」をすることはできないと、お引き受けした次第である。

 昨日、本番収録のために、ラジオ大阪に出かけた。驚いたことに、スポンサーが、大阪府宅建組合から、志村さんの経営する甲州建設に変わっている。その間には、様々の複雑な事情があったようだが、志村さんもまた、その志を貫くために、自社がスポンサーになることを決めた。そんな関係から、「上甲晃の志ネットワーク」といった、身に余るような光栄な題名の番組が生まれてきた。三十分の番組を、私とアシスタントの女性、そして志村さんが担当する。この日は、二週分を収録した。

 「ちょっと、講演の時に話をしている雰囲気になっていますね。もう少し、会話をしている柔らかな雰囲気を出していただきたい」と、志村さんからの注文がつけられた。相手の見えないマイクに向かって話すのは、講演とは違う難しさがある。徐々に慣れていくのだろうが、この日ばかりは緊張の連続だ。

 私は、この番組を通じて、「関西復権・大阪再生」に自らのエネルギーを注ぎ込んでみようと思っている。「関西は停滞している。大阪から日本は沈む」と口にして批判することは、簡単だ。しかし、口で言っている限りは、しょせん他人事であり、遠吠えにしか過ぎない。私のできることは限られている。その限られた範囲の中であっても、全力を尽くすことが、やはり志であろう。低調な大阪を見捨てて、他所に住む手はない。低調だからこそ、大阪に踏みとどまって、微力を尽くすことが必要なのだ。

 今年の秋には、『関西改革のための組織』を立ち上げようとも思う。ラジオ番組を継続して担当させていただければ、活動はやりやすい。私にとっては、好都合だ。


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