志ネットワーク 青年塾:「志の高い日本」は、「志の高い日本人」によってこそ実現するとの思いに立ち、志ネットワーク活動を展開。 主宰:上甲晃

村長の気骨

2005年9月12日 上甲晃 |

 下条村伊藤喜一村長の口から出る言葉は、辛らつであるが、ポイントを射抜いている。昭和十年生まれ。言葉の辛らつな分、痛快でもある。
 「地方公務員は、゛痴呆公務員゛になる危険がある」などといった言葉が、ぽんぽんと飛び出すから、聞いている者達は、ついつい話に引き込まれる。「公務員というものは、目標が示されないと、仕事はのろいし、やることはとろい。しかし、目標をきちんと示せば、実に良くやってくれる。とりわけ外の空気を吸うと、見違えるように良くなる」。自ら役場の職員を叱咤激励して、やる気にさせてきたからこそ言えることなのだ。
 伊藤村長は、日本の未来を非常に心配している。とりわけ教育が危ないと心底思っているようだ。「まず親が悪い、例えば、朝起きて、自分はきれいにお化粧し、爪の先まで磨き上げて、後は時間がないからと、子供に食事もさせないまま保育所に連れてくる。そんなことが当たり前の時代になっています。先生も悪い、かつて若くて、きれいな先生がこの村の学校に転勤して来ました。早速、その先生のために、新しい一戸建ての家を提供しました。容姿も美しいけれども、ファッションもいい、いつもこぎれいでさっぱりとしている、実に魅力的な先生でした。その先生が転勤しました。先生が住んでいた家の様子を見に行った人が、唖然としました。柱という柱に、無数の傷があるのです。調べてみると、その先生は、畳の上でシートを敷いて、ウサギを飼育していたのです。弁償してもらいましたが、そんなことが日常茶飯のようにあるのです。日本の教育は本当におかしい」と、村長は憤る。
 伊藤村長は、「言うことは言うけれども、やるべきことは何もやらない。何とも無責任な時代になったものです」と嘆く。そんな世相を、「後出しじゃんけんの時代だ」と伊藤村長は、厳しく言い切る。「どういう意味ですか?」と聞いてみる。「人がじゃんけんを出した後からこちらがじゃんけんを出せば、必ず勝つ。それと同じで、世の中、済んでしまえば、いくらでも偉そうなことが言える。そんな卑怯な人が多い。マスコミなどの論調はまさにその典型です」と舌鋒鋭い。
 その伊藤村長が、下条村に行政視察に来た、ある自治体の人達からの礼状を紹介してくれた。「本当に良い勉強をさせてもらいました」といったお礼の締めくくりに、「これこそ、これからの行政のあり方だと強く感じました。私達の今までの仕事の進め方を大いに反省しています」。「行政の人達は、感じたり、反省はするけれども、そこから先の行動がない。それが最大の欠点です」。伊藤村長の気骨は、なかなかのものがある。

行事案内

2005年9月12日 上甲晃 |

デイリメーメッセージ感謝の講演会
10月・『日本の進路研究会』のご案内『デイリーメッセージ感謝の講演会』についての変更
9月16日  愛知県半田市で開催(榊原秀光さん主催)
     会場が、半田商工会議所大会議室に変更になりました。
10月26日 東京で開催 (山下晃生さん主催)
開催時間が、13時から14時30分に変更になりました。
※ この講演会は、非公開になっています。

10月・『日本の進路研究会』のご案内
  前、近畿管区警察局長の村田保史氏が講師
     「日本の治安について」

■開催日   10月5日(水)午後6時半から
■開催地   東京代々木・新日鉄代々木クラブ

 日本の治安はどうなるのか、それはこれからの時代の日本の大きな課題のひとつです。今回は、かつて警察官僚として、福島県警本部長や近畿管区警察局長を歴任し、現在、成田空港会社の常務取締役である村田保史さんをお招きして、豊富な体験に基づくお話をいただきます。また、講話の後、ひざを交えた交流の機会も計画しています。ぜひとも、多くの方々にご参加いただきたく、ご案内します。ご参加をお申し込みの方は、メール本文欄に参加者氏名、住所、連絡先(電話、FAX番号、携帯電話等)をご記載頂き、9月25日までにお申し込みください。

下条村

2005年9月11日 上甲晃 |

 「平成の大合併」に日本中が踊っている。そんな中で、一人わが道を行く村がある。長野県下伊那郡下条村である。明治二十二年に、藤沢村と陽阜村が合併して、下条村となって以来、今日まで百六十六年、合併していない。「合併しなくてもいいように、自立の力を養ってきた」のである。どんな小さな村であっても、すべてにわたって゛ひとり立ち゛できれば、わざわざ合併する必要がないという確信を持っているのである。
 『青年塾』東海クラスの「伊那講座」で、初めて、下条村を訪問した。伊那市から飯田市に向かった。下条村は、飯田市に隣接している。飯田市までは、車なら十五分程度で行ける。伊那谷の緑豊かな河岸段丘に開けた村は、総面積三十七キロ平方メートル。決して広くはないが、きれいに手入れされた田んぼやそばの畑が、段々状に広がっている。
 伊藤村長は、黒塗りの車で現れた。ただし、運転しているのは、ご本人。ゆっくりとしたスピードで、玄関横の駐車場に車を止めた。昭和十年生まれ、現在、村長四期目。村でガソリンスタンドをはじめとして、さまざまな店を経営していた人だ。行政のベテランではない。その代わり、経営感覚には優れたものがあると定評がある。
 下條村が、長野県下ではナンバーワンにランクされることがいくつかある。まず、ゼロ歳から十四歳までの人口の比率が、一七・三パーセントである。高齢者の間違いではない、幼い子供達が人口全体に占める比率が、長野県一である。「保育所は満杯です」と、地元の人達は、子供達の多いことを証言してくれる。ちなみに、出生率は、一・九七人。全国で、一・三人を切ったと大騒ぎしているこの時代、一・九七歳は、立派。ただし、高齢者が肩身の狭い思いをしているわけではない。男子の平均寿命は、八〇・一歳。県下一である。
 とりわけ財政状況の良さは、県下有数。例えば、起債制限比率といった専門的な指数は、一・四と、県下一だ。一五でイエローカード、二〇でレッドカードと言われる。それと比較しても、いかに財政に余力があるかがわかる。純借金も、九億円と、信じられないほど少ない。地域としての自立。それを可能にしたのは、現在、任期四期目を迎えている伊藤村長の経営手腕による。例えば、一般職員は、たった三十七人。「職員の人数が少ないと、行政サービスは良くなる」との信念を持って、組織をスリム化してきた。余分なポストも置かない。公共下水は、合併浄化槽。道路は、自分達で造る。公園の維持管理も、村民のボランティア。とにかく、自主自立の姿勢が徹底している。

寒天ブーム

2005年9月10日 上甲晃 |

 どの業界でも、ブームが到来すると、関係する人達は小躍りするものだ。「この機会を逃してなるものか。荒稼ぎするぞ」と、腕まくりするのが普通である。しかし、四十七期連続増収増益という輝かしい実績が示すように、きわめて地道に寒天の普及に努力してきた、寒天の専門メーカーである伊那食品工業は、ブームへの対応からして、やはり他とは違う。「さすがだ」と、改めて見直したくなる立派な姿勢を貫いている。
 伊那食品工業が業界紙に掲載した広告は、その姿勢を端的に表している。「寒天の原料(テング、オゴノリ)は、限りある資源です。ブームに、冷静な御協力を」と見出しに記されている。ブームが到来したら、この機会を逃してなるものかと、後先を考えない企業が多い中で、「冷静に対応してほしい」とお願いの広告を出すこと自体、驚きである。
 広告は、「寒天の人気が高まり、ある面では喜ばしいことですが、限りある原料への認識のない市場拡大は、原料の乱獲を招き、業界の健全な発展を阻害します。弊社は昔から企業のあるべき姿として、品質・供給・価格の安定を計るべく、多くの国々で原料の開発・輸入の努力をしてきました。一時的なブームは原料の産地や寒天ユーザーの皆様に好ましくない影響を及ぼします。冷静な御協力をお願いします」と訴える。
 まったくもって、堂々たる正論ではないか。このような正論が通じなくなった現在の日本社会を悲しい思いで眺めてきた私からすると、伊那食品工業の姿勢は、まことに凛々しく、感動さえ覚える。そしてさらにうれしいと思うのは、そのような姿勢を持つ会社だからこそ、四十七年間連続増収増益という輝かしい実績を継続できたことだ。やはり、「志がなければ、企業は永続できない」とつくづく教えられる。
 聞くところによると、今年二月、NHKの『ためしてガッテン』という番組で、「寒天が、早死につながる四大成人病に極めて有効な働きをする」と、具体的な実績をもって報道したことがブームに火をつけた。飛ぶように寒天製品が売れ始めた。業界で断然トップを走る伊那食品工業では、前年比三割から四割増という異常な売れ行き。作っても作っても、足りない。休日返上で、お客様の要望にこたえようとした。しかし、民放が寒天ブームをあおり始めてから、雲行きがおかしくなってきた。伊那食品工業はいち早く冷静を取り戻した。「寒天の効用を正しく知ってもらうためにはありがたい機会になった。しかし、ブームにあおられて、正しい姿勢を失ってはならない」と、同社の会長である塚越 寛さんと社長の井上 修さんは、冷静な対応を社内外に呼びかけ続けている。立派。

バングラデシュ講座

2005年9月 6日 上甲晃 |

 来年5月に゛10周年記念交流行事゛
  企画検討に参加してください 
 

バングラデシュとの交流を始めて、来年は、10年目を迎えます。「世界最貧国」の一つであるバングラデシュを初めて訪問したあの時の緊張は忘れられません。深夜のダッカ国際空港。人が沸き出したような雑踏の中で、乞食に付きまとわれて、おろおろした日のことが昨日のことのように思い出されます。それから既に九年。現地を訪問した回数も、八回を数えました。日本から参加した人達の数も、百人をはるかに超えました。現地でお付き合いのある仲間の数は、私たちの訪問回数とともに増えました。そしてその分、バングラデッシュへの親近感は深くなりました。
ホームステイでお世話になるアムライド村の人達の顔が、懐かしく思い出されます。村の様子も、すっかりと頭の中に入りました。また、コナバリにある国際エンゼル協会のスタッフは、すっかりお友達です。行き来した回数が多くなればなるほど、あれだけ遠かったはずのバングラデシュが、どんどん近くなっているように思われます。

企画委員を募集します。゛家族委員゛大歓迎。

来年は、交流10年の節目です。この節目の年に当たり、現地で、今まで知り合った現地の仲間達と盛大な交流の機会を持ちたいと計画しています。現地に行くのは、基本的には、来年のゴールデンウイーク。ただし、二つの班に分け、時間的に余裕のある人には、念願の『ベンガル湾湿地帯クルージング・ツアー』も計画します。あるいは、ベンガルタイガーを見かけることができるかもしれません。ぜひとも、今まで行ったことのある人も、今まで行ったことのない人も、この機会をぜひともお見逃しのないように、お誘い申し上げます。
なお、現地では、10周年にふさわしい交流行事を企画したいと思っています。つきましては、企画内容を一緒に考えてみようという有志を募集します。年内に1回か2回、企画会議を開催しますので、そこに出席していただき、良いアイデアを出してください。また、10周年のツアー全体の企画から運営までを手伝ってもいいと思われる方も、ぜひ手を挙げてください。みんなで、すばらしい節目を飾る意義ある計画を作りあげましょう。

村での盆踊り大会も候補の一つ

ちなみに、例えば、アムライド村盆踊り大会、アムライド村の人達とのバーベーキューパーティなどもひとつのアイデアです。『企画委員』に参加してもいいと思われる方は、巻末の申し込み用紙にお名前をご記入の上、事務局宛にご返送ください。なお、家族での参加はとりわけ大歓迎です。子供さんや孫さんとご一緒というのは、最高です。企画委員にも、家族参加してください。

10周年事業企画委員の募集

① 資格要件なし。来年5月の、「バングラデシュツアー」に参加を希望する人、あえて言えば、「みんなのお世話をすることをいとわない人」。
② 会合は、事前に二回程度。会合場所は、ご応募いただいた委員の住所を見て、一番都合の良い場所を考えます。
③ 交通費などはすべて自弁です。

 参加者を募集します来年開催する『バングラデシュ・スタディーツアー』に参加を希望される方は、今から予約を受け付けます。とりあえずの希望でかまいません。応募していただいた方々には、事前の勉強会をご案内します。とりわけ、家族での参加をお勧めします。゛子供と共に行くバングラデシュは゛、親子にとって、意義ある旅になると思います。


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