志ネットワーク 青年塾:「志の高い日本」は、「志の高い日本人」によってこそ実現するとの思いに立ち、志ネットワーク活動を展開。 主宰:上甲晃

『青年塾』第10期生募集

2005年11月28日 上甲晃 |

『青年塾』第10期生の願書受付けが、いよいよ12月1日より始まります。
興味のある方は、お早めに願書、募集要項をお取りよせください。
お問い合わせは、志ネットワーク「青年塾募集係」に。
〒590-0116
大阪府堺市若松台3-3-17
志ネットワーク事務局「青年塾募集係」
宛に、郵送先、連絡先をご記入いただければ、願書、募集要項をお送りいたします。
お問い合わせ、資料請求をお待ち申し上げております。

魅力ある男

2005年11月25日 上甲晃 |

 車が、京都府宮津市・天橋立の付け根にある智恩寺の門前に着いた。ここは、日本三景の一つである天橋立の入り口だけあって、門前には、旅館やおみやげ物が軒を連ねている。この日に泊まる予定だと案内された宿は、通りから少しばかり玄関が引き下がっている分、車の中からは、中の様子があまり良く見えない。私には、全国各地の門前町によくある、何の変哲もない宿にしか見えなかった。
 「チェックインは、この宿ではなく、近くの喫茶店で行います」と、案内してくれた株式会社飯尾醸造の社長である飯尾 毅さんが、車を智恩寺のすぐ前にある喫茶店の前に止めた。言われるままに、私達夫婦は、喫茶店に足を運んだ。そして入り口を入った瞬間、その店のすばらしい感性に魅了されてしまった。古木をうまく使った、実にセンスのいい空間が広がっている。何よりも魅力は、みごとな松並木が続く天橋立の洲と向かい合わせに、運河のように目の前に海があることだ。喫茶店は、゛カッフェ・デュ・パンと名づけられている。名前そのままに、内部はゴージャスな雰囲気に満ちている。豪華な椅子に座り、たちまち豊かな気分になる。コーヒーが運ばれてきて、気持ちがさらに和らぐ。
 店で働く人達の服装と接客の態度が、高級感をいっそう高めてくれる。軽妙な会話、行き届いたサービス、物腰の柔らかな態度。わずかな時間しか経っていないのに、すっかり打ち解けてしまう。
 「お泊りのお部屋に案内します」と、若い女性の従業員が声を掛けてくれる。店をいったん出て、門前の通りのほぼ真ん中にある宿まで歩く。そして、最初は何の変哲もない宿と見えた旅館に入る。゛ワインとお宿・千歳」とある。もともとは古びた旅館だったはずの建物が、みごとに蘇り、高級感をかもし出している。一階のレストランとワインセラーを見ただけで、経営者の感性の高さがびんびん伝わる。私は、瞬間、この宿にぞっこん惚れ込んでしまった。通りをはさんだ向かいの建物にも、同じ「千歳」の部屋がある。一階はお蕎麦屋さん。そしてその上が、二万本のワインの一部を収納しているセラーや客室になっている。
魅力ある男が一人いたら、地域全体が魅力的なものになる。山崎浩孝さん、四十五歳。ワイン好きが高じて、北海道小樽で十年以上ワイン作りを学び、今、自らワイナリーを持ち、天橋立ワインをぶどうから作っている。ワインを通じてフランスをはじめヨーロッパに幅広い人脈を持つ山崎さん。その魅力に、日本はおろか、世界中が注目している。山崎さんが注目されると、天橋立も引き立つ。地域は、人によって救われる。

落選の辛さ

2005年11月20日 上甲晃 |

 選挙で当選した人は、゛脚光゛という光を浴びて、まぶしそうである。日の当たる道を歩くことの、何と心地良さそうなことか。誰だって、選挙に出た限りは、まぶしくなるほどの脚光を浴びてみたい。しかし、日の当たる人がいる一方で、日の当たらない道を歩かなければならない人達もいる。当選した人がまぶしい光に目を細めている時、落選した人達は、暗闇の中で懸命に目を見開いて、わずかばかりの明かりを捜し求めている。その差の何と大きいことか。『天国と地獄』、そのままの図である。
野田佳彦さんと渋谷金隆さん 私の主宰する『青年塾』は、かなり前から、松下政経塾の卒業生で、残念ながら選挙に落ちて、浪人中の人達に、研修を手伝ってもらっている。かつては、野田佳彦氏(現在、民主党国会対策委員長)や長浜博行氏(現在、衆議院議員)、さらには山田 宏氏(現在、東京・杉並区長)に手伝ってもらったこともある。一度だけの敗戦で、政治家としてカムバックできた彼らは、幸せである。今となっては、「錚々たる指導陣でした」と胸が晴れるような陣容であった。
野田佳彦氏、中田宏氏、長浜博行氏 現在は、四人、落選中の卒業生に手伝ってもらっている。一人は、大森興冶氏(神奈川で衆議院補欠選挙に落選)、そして桜井雅彦氏(東京・目黒区長選)。さらに今回の衆議院議員選挙で苦杯をなめた谷田川 元氏(千葉から衆議院議員戦況に民主党から立候補)、高橋 仁氏(群馬で衆議院議員選挙に立候補)である。大森氏と桜井氏は、落選一回。それに対して、谷田川氏と高橋氏は連敗してしまった。いずれも、まだ政治の道はあきらめていない。また、あきらめるにしても、今まで応援してくれた人が納得しない限り、簡単に矛を収めるわけにはいかない。
 私は四人と会って、それぞれの苦衷をうかがい知り、こちらまで苦しくなる。私も大学受験で浪人した経験がある。しかし、大学受験の浪人は、一年後に再挑戦のチャンスが来る。また、「滑り止め」といった対応もできる。ところが、衆議院議員選挙は、そんなに簡単にはいかない。
 まず、四年後まで、いつ選挙があるかわからない。とりわけ今回の選挙では、自民党が圧勝したから、人気ぎりぎりまで選挙がないだろう。これから三年から四年、歯を食いしばりながら、雌伏しなければならない。過去に五年雌伏してきて、その上にこれから四年近い雌伏を余儀なくされるのは、並みの試練ではない。まして、次回の当選を、誰も保証してくれない。「また落選するかもしれない」という恐怖が、地獄のように苦しめる。言葉では表せない苦悩の日々を過ごさなければならない。私は、落選者の応援を止めるわれにはいかない。

熱い声援

2005年11月19日 上甲晃 |

 「大阪でのデイリーメッセージ五千号達成・感謝の講演会に参加させていただい時、会場の雰囲気が非常に盛り上がり、熱気がむんむんしていたことに驚きました。私は、今回、高松で感謝の講演会を主催させていただくに当たり、どのようにすればあのような熱気に満ちた講演会が開催できるかをずっと考え続けてきました」。高松空港まで私を迎えてくれた鈴木荘平さんは、ハンドルを握りながら、話し始めた。
 複写はがきを書くことにかけては、人語に落ちない鈴木さんだけあって、講演会の準備も通り一遍のものではなかった。「すべてに最善を尽くす。それ以外にないと思い、考えうるすべてのことはしました」と言う。
 この日の会場の定員は、百五十人。幸いにも、講演会に参加したいと申し出ていただく方が多くて、とてもすべての要望を受け入れられないとわかった時から、鈴木さんは実にきめの細かい対応をしてくれている。例えば、参加を希望すると申し込んできたすべての人達に対して、「お申し込みいただいてありがとう。当日はお待ちしています」とのはがきを出している。はがきをもらった人達は、行き届いた配慮に恐縮した。
おかげで、参加する予定の人達は、「必ず行こう」と思ったことだろうし、その後に、止むを得ず欠席せざるを得なくなった人は、黙って欠席するわけにはいかないと、その旨を伝えてきてくれた。この日、定員百五十人の会場は、きっちり満席。わずかな誤差は、『青年塾』の塾生諸君が立つことによって解決した。
それにしても、『青年塾』の諸君も良く働いてくれた。四国地区在住のほとんどすべての塾生諸君が顔を揃えて、惜しみなく力を出してくれている。普段から、機会を見て塾生諸君の面倒を見てくれている鈴木さんだからこそ、塾生諸君も、馳せ参じたしだいである。
この日会場に集まった人達の視線は熱かった。それは、私が壇上に立った時から、ひしひしと感じることができた。まさに、鈴木さんが当初から目標にした大阪での講演会と同じ雰囲気である。終わった後の拍手も、大阪の時ほどではなかったが、普段の講演会と比べると、はるかに長く続いて、なかなか鳴り止まなかった。私も思わず、自らの身を置く場に困るほどであった。
鈴木さんは、単に人を集めるだけではなく、この講演会の意味を様々な機会に、皆さんに伝え続けてきたのである。そのため、聞きに来ていただく方々の心構えが違っていた。私が感謝の心を伝えるつもりで呼びかけた講演会で、またまた皆さんに感謝し直さなければならなかった。

「命がけ」と言う限り

2005年11月 7日 上甲晃 |

「命がけでがんばります」。政治家が好んで使う言葉である。「死んだつもりでやります」といった表現にもまた、゛命がけ゛と同じニュアンスがこめられている。要するに、「必死でがんばります」と言いたいわけである。ところが、この表現の持つ意味が、どんどん低下している気がしてならない。極端に言えば、「口先だけの表現」に落ちぶれてしまっているのだ。
 先般の衆議院議員選挙で、郵政民営化に反対した自民党議員は、小泉総裁の決断により、離党せざるを得なくなった。選挙の時に、自民党に公認されなかったばかりか、゛刺客゛と言われる対立候補まで立てられて、離党の悲哀を味わったことは、記憶に新しい。泣く泣く、議席を諦めた人もいるし、選挙に敗れ去った人もいる。
 私が問いたいのは、その後だ。当選して後、自民党に戻りたいあまり、郵政民営化反対から賛成に転じた人達てある。「選挙結果に民意が表れた。民意に従う」などと屁理屈を言う。とんでもない人達である。こんな人達は、一日も早く、政治家を辞めてほしい。舌の根も乾かないうちにという表現があるが、節操のなさこそ、政治家失格の烙印を押す最大の理由である。
 政治家は、自らの決断の一つ一つに命をかけるべきである。「命をかける」とは、その決断により、゛打ち首゛になっても致し方ないという覚悟のことを指して言うのである。事実、昔なら、打ち首、さらし首、少し寛大に扱われたとしても、切腹ものだ。昔の人達は、本当に命をかけて決断し、行動した。とりわけ、指導者はすべてにわたって、命をかけていたのだ。指導者の迫力は、「本当の命をかける」ところから生まれてきた。
 時代が変わったから、本当の命など奪われないし、問われることもない。その結果、゛口先だけの言葉゛になってしまったのだ。政治家を始め、各界の指導者に迫力がなくなってきたのは、本当の「命がけ」の覚悟がなくなってきたからだ。政治家なら、本当の命は問わないとしても、政治生命ぐらいはかけるべきだ。自らの決断の結果、政治生命を失ったとしても、「覚悟の上」と腹をくくるべきである。
 「民意に従う」と郵政民営化賛成に転じた政治家諸氏は、得票率においては、郵政民営化反対票が多かった事実をどのように説明するのだろうか。今回の自民党の圧勝は、小選挙区制のマジックである。得票だけを見れば、小選挙区において、郵政民営化賛成が三千三百万票、反対が三千四百万票。これは民意ではないのか。「まさかこんなことで離党させられるとは」などと嘆く人は、離職したほうが良い。

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