三つの注意

上甲 晃/ 2002年5月25日/ デイリーメッセージ/

『青年塾』東クラスの最初の研修である。私は、二日目の朝に二時間話をした。その最初に、三つのことを注意した。昨日から今日の朝にかけて塾生諸君を観察して気がついたことばかりである。塾生になったほやほやのうちに、当たり前のことをしっかりと励む力を備えてほしいとの思いから、気がついたことは必ず伝えることにしている。

まず、スリッパをそろえる。私は、宿舎の廊下を通るたびに、塾生諸君の部屋の上がり口を見る。スリッパが揃っていない。ばらばらに散らばっている。「まずスリッパを揃えなければね」と、私は自ら揃える。「気をつけます」との答えは返ってくる。ところが、しばらくして上がり口を見ると、またスリッパが散らばっている。今まで習慣が身についていないから、一度注意されただけでは直らないのだ。

第二番目、食事の時の姿勢だ。じっと観察してみると、ひじをついて食事をしている人が何人もいる。「食事の時の姿を美しく、凛として。決してひじをつかないように」。そんな当たり前のことを誰からも注意されないから、いつまでたっても直らない。『青年塾』のめざす生き方の一つは、゛凛゛。考え方も、凛。歩き方も、凛。生き方も、凛。そして食べる姿も、凛。食事をする時、ひじをついていたり、足を組んでいたり、くちゃくちゃと音を立てたりするのは見苦しい。見苦しい姿は、他人を不愉快にする。「他人に迷惑をかけることはしない」ことが、『青年塾』のモットーである。

第三番目は、音だ。音を立てることに対して、無神経な人が多すぎる。階段をどすんどすんと音を立てて上がり下りする人、スリッパをぺたぺたと音を立てて歩く人、「はっくしょーん」と所構わずくしゃみする人、みんな音には鈍感だ。今回の研修会場の椅子は重たい。そのために、立ち上がるたびに椅子を引きずる音がする。誰一人、音を気にはしていない。ちょうど真下の部屋にいると、強烈な音が響く。「今日は他にお客様がいないから構わないでしょう」と言う人がいる。「それは違う。人がいるから気をつける、人がいないから良いだろうといった考え方をしていると、いつまで経っても身につかない」と、私は厳しく注意した。

より良い生活習慣を身に付けることが、志を高める第一歩である。志は、足元の実践から始まる。『青年塾』では、人の役に立つ前に、人に迷惑をかけないことを厳しく教える。普段、人に迷惑をかけない行動ができるようになれば、大したものなのである。