『青年塾』塾生諸君への手紙

上甲 晃/ 2002年7月20日/ デイリーメッセージ/

常に、゛主人公意識゛をもって歩もう第六期生諸君のクラス別研修の第一回目が、すべて完了しました。毎年、最初は特に緊張します。立ち上がりがうまく行かないと、後に響く、そのように思うものですから、私自身も、慎重に、真摯に、そして真剣に研修に臨みました。おかげで、どのクラスもうまく立ち上がったと自負しています。もちろん、個々に見れば色々な評価もあり、課題もあります。しかし、それらは次なる進歩のための゛芽゛です。

私の場合、研修が終わった後で体の芯から疲れを感じるようなときは、物事がうまく行っていない証拠です。逆に、うまく行くと、肉体的な疲れを感じても、心はうきうきするものです。今回は、すべてのクラスの終わった後、すがすがしい気分と共に、「これからもがんばろう」との意欲がわいてきました。私の゛体内観測計゛が、今年の第六期生の立ち上がりが順調であることを教えてくれているのです。

順調に立ち上がった最大の理由は、諸君が、気持ちを新たに参加してくれたからです。入塾式のときに、いやいや『青年塾』に参加するようになった人もいました、しぶしぶ『青年塾』に参加するようになった人もいました。それは、まったく構わないのです。大事なことは、「いかなる経過があったとしても、やると決めた限りは、やるぞ」と気分を一新することです。私は、それを゛主人公意識゛と言っています。人に言われたからやる、人に命令されたからやるのでは、自分の人生にして自分の人生にあらず、それは゛奴隷意識゛です。

いやいや、しぶしぶの気分をひきづる人が一番いけないのです。それではすべての人が損をします。せっかく良かれと思って送り出してくれた経営者も、休日の予定を犠牲にして送り出してくれた家族も、もちろんあなた自身も、一緒に学んでいるほかの塾生諸君も、みんなが損をするケースです。だから、「やる限りはやる」との気分の切り替えが必要なのです。幸い、今年は、みんなが気分を切り替えてくれたようです。つまり、諸君が、゛主人公意識゛をもってくれた結果、滑り出しが良かったのです。

これからも、゛主人公意識゛を強く諸君に求めていきたいと思っています。唯一つだけ付け加えておきたいことは、「自分のやりたいことだけをやる」というのが、゛主人公意識゛ではないということです。「自分のやりたいことだけをやる」のは、わがままです。人に命じられたことであっても、会社の方針であっても、強制的にしなければならないことであっても、「やる限りは、自分の主体性をもってやる」、それが゛主人公意識゛なのです。そのためには、なぜそれをやるかを納得するまで理解することも必要です。どんなことでも、やる限りは、自らが必要だと判断してやる、それが゛主人公意識゛なのです。

食べ物でも、自分の好きなものだけ食べていたら、体を壊してしまいます。必要なものを食べることが大事であって、食べたいものだけを食べるのを偏食と言います。心の面においても、やりたいことだけをやる、自分の好きなことだけをする、人に命令されたことはやらないというのでは成長はしません。それは、心の偏食です。そして、最も問われるのは、自分がやりたいと思っていないことに対する姿勢です。やりたいと思うことは、放っておいても、゛主人公意識゛をもつことができます。問題は、自分が別段やりたいと思っていないことに対する姿勢です。自分がやりたいと思っていないことであっても、やらなければならないことである限りは、気分を一新して、「やる限りは、自らの発意のような主体性」をもつことであります。

上から言われたことであっても、部下から求められたことであっても、外から無理やり要求されたことであっても、「やるべきことはやる」という主体性、そして「やる限りは自分自身の主体性において取り組む」というのが、゛主人公意識゛です。

サマーセミナーが近づいてきました。今年は、四国の香川県を舞台にして、お遍路の巡礼体験などが計画の中心に組まれています。計画は、すべて四国地区の塾生諸君が担当してくれます。既に、十人の人たちが下見に出かけたとも聞きます。サマーセミナーの開催は、毎年、各地区を巡っていきます。昨年は九州、今年は四国、来年は北陸、その次の年は中国地方を予定しています。

どうしてお遍路なのか、それは信仰の自由の侵害ではないか、四国ならやはり高知県ではないか、などと論議を始めると、物事は限りなく泥沼に入り込みます。「いい機会だ。やってみよう。やる限りは、主体的に参加してみよう」、そのような気持ちの切り替え、それが゛主人公意識゛です。やらずして議論しても物事は延々と決着がつきません。とにかくやってみよう、その潔さは、懐の広さでもあります。すべての諸君の参加を心から願っています。

暑さが日増しに厳しくなります。くれぐれも自愛されて、元気でお過ごしください。そしてまた、お互いに元気で再会しましょう。

『青年塾』代表 上甲 晃