こつこつ、こつこつ

上甲 晃/ 2003年2月10日/ デイリーメッセージ/

志ネットワークの会報は、間もなく発行する四月号で、ちょうど通巻五十号になる。一年に四回発行する季刊誌であるから、創刊して十三年目を迎えたことになる。最初のころは、ほとんど手作りに近い会報で、私が自ら原稿をワープロで打ち、レイアウトもした。そして、自転車の荷台に完成した会報を積み込み、郵便局まで持ち込んだものである。お金をかけて作る会報ではなく、「手間ひまをかけて作る会報」をモットーとしていた。

会報の五十号記念として、株式会社イエローハットの相談役である鍵山秀三郎さんと、対談させていただく企画を立てた。鍵山さんとは、第一回目の『志ネットワーク・全国会議』以来のお付き合いである。見方によったら、志ネットワーク活動は、私が鍵山さんと出会うところから始まったとも言える。「井戸を掘っていただいた古い恩人」、鍵山さんは、そんな表現がぴったりするような存在であり、志ネットワークの記念すべき第五十号にご登場いただくのに一番ふさわしい人の一人であると判断した次第である。

株式会社イエローハットを訪問して、改めて鍵山さんと面と向かい合った。
「鍵山相談役と初めてお目にかかったきっかけは今から十四年前です。それ以来、私は、鍵山相談役から、生き方に関して、随分影響を受けてきました。物事はこつこつ、こつこつと努力することが一番困難であり、だからこそ、一番偉大なことであることを腹の底から信念として持てるようになりました。生きる自信が持てるようになったのも、鍵山さんとの出会いから学んだおかげです」と、話を切り出した。

地に這いつくばい、人知れずこつこつと努力し続けることこそ、「人を強く、賢く、たくましく、そして謙虚にする」。私は、今、はっきりとその信念を持っている。言葉を変えれば、゛重心の低い生き方゛である。重心が低ければ低いほど、人間は、強く生きられる。重心が低ければ低いほど、人間は、どんな逆境にも絶えられる。

この日のインタビューでも、鍵山さんは何度も、「忍耐」という言葉を口にされた。重心の低い生き方のノウハウがあるとすれば、「忍耐」の一言に尽きるのであろう。じっと我慢して、歯を食いしばりながらも、信じて歩む。それが本当の忍耐だ。信じなければ、耐えられない。

この日のインタビューの内容は、会報五十号のトップ企画として、詳細に紹介する予定である。私は、日本の現状や未来についても、色々と聞いてみた。そして、私の考えていることと鍵山さんが考えておられることが、ほとんど一致していることを確認した。「同志」は、志を同じくする人。願わくば、「同志」として、日本のために一肌脱ぐ使命を共に果たしたいものだ。