中国人の目

上甲 晃/ 2003年11月11日/ デイリーメッセージ/

東京大学客員教授で、中国社会科学院日本研究所教授である金さんの話が、とにかく面白かった。「昨年、中国で話を聞いた時と比べると、ずいぶん丸く穏やかになられましたね」と言う人がいるほど、北京で開催した『中国理解講座』の懇親会で会った時と、今回東京で話を聞くのとは様子が違う。北京では、究めて急進的な意見の持ち主に思えたが、今回は、とにかく話が面白い。それでいて、内容は明快で、興味津々。

ある『青年塾』の塾生は、「東京で話す時は、大胆な内容になりますか」と質問した。金さんは、「そんなことはありません」と即座に否定した。「中国は相対的に政治が小さくなっていますから、北京でも自由に物が言えるようになりました」。それほど、大胆な発言も多かったのである。

金さんの語録を拾ってみよう。
「中国の外交には基準はひとつしかない。それは、経済発展のためになるかどうかだけ。それ以外の基準など何もありません。だから、見方によっては実にわかりやすい」。
「国民に先行きに対する自信がないと、市場経済は回らない。日本人の七割は、先行きを暗いと言う。中国人の九十パーセントは、先行きが明るいと言う。日本がだめになり、中国が良くなるのは当たり前です」。

「経済発展のために中国政府が何をしたか。何もしていない。したことと言えば、開放、すなわち許すことだけです。改革とは、開放すること。それを中国語では、゛放権譲利゛と言います」。
「社会は、経済成長期になると、金持ちになりやすい。だから、これからは、アメリカンドリームに代わって、チャイニーズドリームの時代になる。すでに海外に出ている野心的な中国人や優秀な中国人が、中国に続々と帰ってきている」。

「中国人はみんな、お金儲けのことしか考えていない。それを中国語では、゛向前看゛をもじって、゛向銭看゛と言います。もはやお金儲けについては、抑制が効きません。天安門事件の時の闘士たちも、今やお金儲けばかり。あの頃は幼稚だったと、笑い飛ばしています」。
「中国人にとって、家族以外は他人です。他人のことなど誰も構っていない。自分だけ、自分の家族だけ良ければいいのです」。

「中国脅威論、中国崩壊論など、色々あるけれども、みんな一つの面を指摘しているだけ。それぞれ間違いです。中国はもっと多面的で、複雑で色々な顔を持っています」。

最後に、「衆議院選挙を見ていても、日本は外交が見えない」とずはり。