落選の辛さ

上甲 晃/ 2005年11月20日/ デイリーメッセージ/

選挙で当選した人は、゛脚光゛という光を浴びて、まぶしそうである。日の当たる道を歩くことの、何と心地良さそうなことか。誰だって、選挙に出た限りは、まぶしくなるほどの脚光を浴びてみたい。しかし、日の当たる人がいる一方で、日の当たらない道を歩かなければならない人達もいる。当選した人がまぶしい光に目を細めている時、落選した人達は、暗闇の中で懸命に目を見開いて、わずかばかりの明かりを捜し求めている。その差の何と大きいことか。『天国と地獄』、そのままの図である。
野田佳彦さん
私の主宰する『青年塾』は、かなり前から、松下政経塾の卒業生で、残念ながら選挙に落ちて、浪人中の人達に、研修を手伝ってもらっている。かつては、野田佳彦氏(現在、民主党国会対策委員長)や長浜博行氏(現在、衆議院議員)、さらには山田 宏氏(現在、東京・杉並区長)に手伝ってもらったこともある。一度だけの敗戦で、政治家としてカムバックできた彼らは、幸せである。今となっては、「錚々たる指導陣でした」と胸が晴れるような陣容であった。
野田佳彦氏、中田宏氏、長浜博行氏
現在は、四人、落選中の卒業生に手伝ってもらっている。一人は、大森興冶氏(神奈川で衆議院補欠選挙に落選)、そして桜井雅彦氏(東京・目黒区長選)。さらに今回の衆議院議員選挙で苦杯をなめた谷田川 元氏(千葉から衆議院議員戦況に民主党から立候補)、高橋 仁氏(群馬で衆議院議員選挙に立候補)である。大森氏と桜井氏は、落選一回。それに対して、谷田川氏と高橋氏は連敗してしまった。いずれも、まだ政治の道はあきらめていない。また、あきらめるにしても、今まで応援してくれた人が納得しない限り、簡単に矛を収めるわけにはいかない。
私は四人と会って、それぞれの苦衷をうかがい知り、こちらまで苦しくなる。私も大学受験で浪人した経験がある。しかし、大学受験の浪人は、一年後に再挑戦のチャンスが来る。また、「滑り止め」といった対応もできる。ところが、衆議院議員選挙は、そんなに簡単にはいかない。
まず、四年後まで、いつ選挙があるかわからない。とりわけ今回の選挙では、自民党が圧勝したから、人気ぎりぎりまで選挙がないだろう。これから三年から四年、歯を食いしばりながら、雌伏しなければならない。過去に五年雌伏してきて、その上にこれから四年近い雌伏を余儀なくされるのは、並みの試練ではない。まして、次回の当選を、誰も保証してくれない。「また落選するかもしれない」という恐怖が、地獄のように苦しめる。言葉では表せない苦悩の日々を過ごさなければならない。私は、落選者の応援を止めるわれにはいかない。