「日中問題研究会」を発足予定

上甲 晃/ 2000年6月5日/ デイリーメッセージ/

北朝鮮の金正日総書記が中国を訪問したニュースが、飛び込んできた。金総書記と江沢民国家主席が繰り返し抱き合うシーンは、世界中を駆け巡った。21世紀、中国、北朝鮮、韓国、そして日本を中心にした東アジアが、世界のもっとも注目すべき地域になることを象徴するようなシーンが演じられたのである。

まもなく始まる21世紀において、西欧を中心とした動きが世界を制していた時代から、アジア、とりわけ東アジアが世界全体の動きにおいて、重要な位置を占めるようになっていくことは、ほぼ明らかである。その意味において、日本、そして日本人は、遠く西欧の国々に目を向けるだけではなく、近隣の国々との友好と、親善、そして何よりも相互理解を進める努力をいっそう強力に進めなければならない時機を迎えているように思われてならない。

ただ残念ながら、日本は近隣諸国との相互理解において、不幸な過去を背負っている。それは、まるで、喉に刺さった骨のようなもどかしさといらだち、そして痛みを感じさせる。「過去のことだから知らない」、「私の経験したことではないから存ぜぬ」というのでは通じないし、「何回謝罪すればいいのか」といった開き直りも、効果的でない。

日本人の多くは、朝鮮半島や中国との関係においては、悩ましい思いをしていることも事実である。このような関係がいつまで続くのだろうかとついつい疑問になってしまうのが、中国や朝鮮半島に対する戦争責任である。「謝罪する、謝罪しない」、「戦争責任はあった、なかった」と、いつまでたっても議論は絶えない。議論だけではない。いまだに、政治家の発言が、常に政治問題としてさまざまな物議をかもしている。

しかし、それがどれほど悩ましく、やっかいであっても、また、解決のためにどんなに時間がかかるとしても、避けて通るべきではないし、避けて通れない。東アジアの国々が、同じ文化圏であるかぎり、いつかは必ず心通じあい、理解しあえることを信じて、地道な努力を積み上げていくことが必要である。

志ネットワーク「青年塾」では、カリキュラムの柱として近現代の日本の歴史研究を行なってきた。今回、さらに一歩進めて中国、韓国へ直接出掛けて、それぞれの国の若い人たちとの意見交流を行なうプロジェクトを立ち上げることにした。まず最初は、中国プロジェクト。来春の現地訪問に向けて、これから一年間の研究会を発足する。一人でも多くの方々の参加を願うしだい。詳細は6月末の中国事前調査のあと、募集の予定。

前原誠司さん