第3回 森の防潮堤植樹祭

上甲 晃/ 2018年05月15日/ 震災支援活動・どんぐりプロジェクト

今年も青年塾森の防潮堤ボランティア隊主催の植樹祭が宮城県岩沼市「千年希望の丘」で開催されました。今年は青年塾生、OB、志ネットワーク会員とそのご家族などドングリ里親総勢60名ほどで行いました。昨年はシトシトと雨の降る中、寒さに凍えながらの植樹祭でしたが、誰の行いが良かったのか今年は快晴で、この季節には暑すぎるくらいの天候に恵まれました。

まずは「森の防潮堤協会」の佐々木さんから植樹の方法についての説明を受けました。「みなさんが育てたシラカシは森の中で一番大きくなる木です。言ってみれば会社の社長さんです。会社が社長さんだけでは成り立たないように、森もそれを守る沢山の社員が必要です。少なくとも10種類以上の樹木がないと森には成長しません。」非常にわかり易い例え話で森となるために必要なことを教えてもらいました。続いて植樹の方法も丁寧に説明してもらいました。「みなさんが育てた苗木はポットの中で成長しています。ポットの中では若い根っこが一生懸命成長しようと頑張っていますが、本来土の中にいる根っこは空気に触れると直ぐに弱ってしまいます。だから先に穴を掘ってそこにポットから出した苗を植えてください。30秒空気に触れたら根っこは弱ってしまいますよ。」参加者の皆さんも真剣に耳を傾けています。「今回は斜面に植えますが、天に向かって真っすぐに植えると根っこにかかる土が山側と谷側で不均等になるのでなるべく斜面に垂直になるよう植えてください。木はそのあと自分でまっすぐに伸びていきます。」とここで渋谷隊長から「何回もやっているけど初めて聞いた。いやー、勉強になるなぁ。」の声。参加者の皆さんからもどっと笑いが漏れ、とっても良い雰囲気で始めることが出来ました。

みんなスコップと苗木のポットを手に、植樹が始まります。黙々と職人のように植える人、家族で仲良く植える人、思い思いに植樹を楽しんでいました。今回私たちが持ち込んだドングリの苗木は200本あまりで、60名で分けるとすぐに終わってしまうかなと思っていましたが、途中で会の方から沢山の苗木の追加があり、終わってみれば1000本ほどの苗木を2時間ほどかけて植えることが出来ました。追加の苗木は先ほど話のあった社長を支える社員の苗木。これで森になるのだと安心しました。最後に自分の名前を書いたプレートを苗木にかけ、みんなで記念撮影を撮り、無事植樹祭は終わりました。

解散後、昨年私たちが植樹した場所がすぐ近くにあるということで見に行きました。昨年書いたプレートは風に飛ばされたのか見つけることはできなかったのですが、昨年の事を思い出しながら木々を見ると、しっかりと根付いている木、枯れそうになっている木、と色々でした。それを見て「森の防潮堤協会」の方々が事前に植樹地を畑のように耕してくれて植えればいいように準備し、植樹の後も稲わらを敷いて苗木を大切に育ててきてくれたからこそ、昨年の苗木が成長する姿を見られるのだと考えさせられました。出来ればそのような準備から参加するのが大切だと思いますが、だからこそ植樹の際にはしっかりと育つように一本一本丁寧に植えていかなければならないと感じ、そのような思いを胸に来年も「千年希望の丘」に来ようと決意した一日でした。

20期東クラス 横山 貴

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