6冊目の拙著

上甲 晃/ 2001年2月27日/ デイリーメッセージ/

私の最初の本である『志のみ持参』の続編が、一冊の本として完成し、2月の未に致知出版社から出版していただくことになった。題名は、『続・志のみ持参』、サブタイトルは「生き方の一流をめざそう」である。私にとっては、6冊目の本である。

自分の本を出していただけるというのは、本当にうれしい。初めて出版してもらったときには、本屋さんの前を通るたぴに、中に入ったものだ。はたして私の本が置いてあるだろうか、はたして売れているだろうかと、気になって仕方がないのだ。横積にして置いてある書店では、誰かが手にしないかと観察し続けていた。たまに私の本を手にしてくれる人がいると、思わず声をかけたくなるような気持ちになる。そのまま元へ戻されるとがっかりし、そのままレジヘ歩き始めると、肩を叩いてお礼を言いたくなる、そんな一喜一憂を繰り返したものである。

本屋に並んでいる本は、自分が選ばれているような緊張がある。それにしても、店頭から本の消えることのなんと早いことか。この間まで店頭に山積みされていた本が、消えている。ずいぶん売れ行きが良いのかと喜ぶまもなく、売れ筋ではないと早々に判断されて、返本されたのだ。あっという間の一週間の出発事である。

それでも、最初に出してもらった『志のみ持参』は、9刷と重版が続いている。すでに、何万人もの人が読んでくれているのだ。本を通じて、実に多くの人たちと出会っている喜びを感じる。幸い、今まで出版していただいた本は、一冊を除いてすべて重版している。自分が本を出す喜びを感じるだけではなく、出版社さんにも、「出して良かった」と思っていただけるような本でありたいものである。

『続・志のみ持参』は、私が松下電器を退職して、独立稼業になってから5年間の体験談をまとめたものである。内容は、致知出版社が主催していただいた講演会での4時間の話が中心になっている。妻と共に歩んだ5年間の零細経営体験記といったところである。帯封がなかなかおもしろいのだ。〈「志に生きるんや」「志で食べられるの」と妻は言った。松下政経塾をやめて五年。松下幸之助の求めたものを求め続ける著者の背中を磨く生き方〉。「志で食べられるの」という妻の一言がきいている。もっとも妻は、「なんと現実的な奥さんと思われる」と嫌がってはいる。しかしこの5年支えてくれた妻の、地に足の着いた現実的姿勢にどれほど救われたかわからない。また、『青年塾』への思いもかなりのスペースを割いて開陳した。今日あたりから、書店をそっと覗いてみるとしよう。