『青年塾』塾生諸君への手紙

上甲 晃/ 2001年6月15日/ デイリーメッセージ/

北海道クラスから始まった最初の研修も、先週末、西クラスをもって終わりました。私たち夫婦は、北海直・当別から順番に西下して、神奈川・箱根、愛知・刈谷、兵庫・東条山口での研修を行なってきました。

【少しづつ固さも取れて】

「今だから明らかにしますが」というとちょっと大げさかも知れませんが、今回の研修を始めるにあたって、私は正直なところ、少しばかり緊張していました。それは、今年の入塾式の雰囲気が例年になく固かったからです。過去の4年間は、私が驚くほど、入塾式と関連の行事を通じて、初対面のはずの塾生諸君が、うちとけてきました。そのために、3日間のすべての行事が終わる頃には、いささかやかましいと思うほどににぎやかな雰囲気が広がっていました。それに比べると、今年は、最後まで、固さが残っているような印象が拭い去れなかったことは事実です。

ひとつには、今年は、企業から派遣された人たちの数が圧倒的に多かったからではないかと判断しました。「自分からぜひとも行きたい」と思ってきた人がごく少数で、「君、参加したまえ」と命じられてきた人が大半を占めていたところに原因があると、私は判断しました。「命じられて参加せざるをえない」人たちの気持ちをいかにして前に向けていくか、私は緊張感を以て、クラス別の最初の研修に望みました。

結論、完全に固さが拭いされたわけではありませんが、各クラスともに、なかなか充実した研修が行なえたと思います。その第一の原因は、お互いがお互いを知合うことにより緊張感がほぐれてきたことです。また、課題の研修に、真剣に取り組んでいただいたからです。もし仮に、みんながほとんど準備らしい準備もせずに研修に参加していたら、ずいぶん味気ない発表に終始していたことでしょう。ほとんどの人たちが、お互いにチームを組み、事前のミーティングも行ない、チャートなども作成してくれました。「ともに苦労する」からこそ、ともに親しくなれるのです。

中でも感心したのは、時事テーマを研究したあるグループは、メンバーの会社をそろって訪問して、社長の話をみんなで聞いたことです。そこまでやれば、おのずと親しみもまし、学びも大きくなります。「せっかくここに参加したかぎりは、精一杯取り組んで、何かをつかんでやろう」といった機運が、芽生えつつあることを私は感じています。これからサマーセミナーに向けて、みなさん一人一人の「主体的な意欲」をぐっと盛り上げていきたいものであります。同じ参加するなら、「やって良かった」と実感できる内容にしたいものであります。

【人間の”根っこ”を良<するところ】

さて、第一回研修では、私から、『青年塾』の思いをお話させていただきました。繰り返しになりますが、「この『青年塾』は、諸君の人間としての”根っこ”を育てるところです。”根っこ”とは何か、それは、何のために生きるかという根本の精神であります。私は、諸君に、己れの損得を越えて、大きな損得を考えられる人間になってほしいのであります。言葉を変えれば、他人を思いやる心を大きく育ててほしい」のです。そのために「生活即学び」普段の生活を真剣に励むことを通じて、諸君の人間性を高めていただきたいと申し上げました。生活の中で、常に他人を思いやる行動を心がけていただきたいのであります。椅子に座る座り方ひとつ、食事のときの食べ方ひとつ、煙草を吸うときの吸い方ひとつ、電話をかけるときのかけ方ひとつ、他人を思いやる行動をいつも心がけていただきたいのです。そうすれば、「他人を思いやる心」が自然のうちに育ってくることでありましょう。

今回は、「ひとつを励む」という課題を諸君に提示します。本当は、生活のすべてにわたり、”思いやりの行動”を励んでほしいのでありますが、人間、そんなに急に何もかもできるものではありません。また、急いで、何もかもを変えることは、いかにも不自然です。長い時間をかけて、じっくりと変わっていくことが、本物の姿でありましょう。

また、一事が万事という言葉もあります。「ひとつの行動を励むことによって生まれてくる心は、万事の行動に及ぶ」のです。だから、まず、ひとつだけを励んでみようというわけです。今回は、同封の用紙に、「私はこのことを励んでみます」というひとつの行動改革の計画を書いていただきたいのです。「『青年塾』に参加したのをきっかけとして、今日から、今から、このような”思いやりの行動”を励みます」という具体杓な計画を約束してください。

【平凡なことをやりぬく努力】

“思いやりの行動”は、その気になれば簡単にできる、平凡なことでよいのです。大事なことは、やりぬくことです。どんなときでも、どんなところでも、例外なく続けることです。仮に、「大きな声であいさつをする」というひとつの行動を決めたら、気持ちが落ち込んでいるときも、あまり好きになれない人に対しても、今日入社した新入社員に対しても、大きな声で明るくあいさつをしなければなりません。「例外なく続ける」、これがいちばん大切なところです。

あなたのなかに、”思いやりの心”が、今以上に大きく育ってくれば、あなたの家族も職場の仲間も、お得意先の人たちも、きっと喜んで<れるはずです。周りの人たちを幸せにするということは、そういうことを指すのではないでしょうか。ぜひとも、自分らしい行動の計画を、ひとつだけ決めて、決めた瞬間から実践に移ってください。おおいに期待をしています。

今年のサマーセミナーは、西クラスの塾生諸君が運営の担当をします。再び、全塾生諸君が一堂に集まります。入塾式の時に比べると、固さもほぐれてくるでしょう。固さがほぐれてくれば、雰囲気はぐっと良くなります。今から楽しみにしています。梅雨の時節、うっとうしい日々が続きますが、気持ちは明るく、前向きに、元気でお過ごしください。

志ネットワーク
『青年塾』
代表 上甲 晃